周辺観察
敷地の周辺を観察すると地盤についていろいろなことが分かります。
敷地の周辺状況
① | 周辺が山や丘で川沿いの低地部は要注意川が運ぶ堆積物で地盤が構成されているため軟弱地盤であることが予想されます。また、水は低い所に集まりやすいため地盤が水分を多く含んでいることも心配されます。
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② | 軟弱層と硬質層の境目は要注意 | |
③ | 造成地で一見平胆地に見えても、図のように周辺が高く盛土造成は要注意 |
④ | 急傾斜の造成地でひな壇式は要注意 |
近隣建物・塀・擁壁・道路状況
① | 近隣の建物に傾き、亀裂は無いか |
② | ブロック塀等の倒れ、亀裂に注意 | |
③ | 擁壁の観察 |
④ | 側溝・道路の状況 | |
⑤ | 近隣に地下水の汲み上げをしている所がないか |
⑥ | 敷地に隣接して川・田・池・沼等は無いか |
聞き込み・目視による調査
敷地について次の点に注意して下さい。
- 地形条件は?
- 現・旧地形は谷部に相当している
- 沼・池・湿地・水路・川等が近くにある
- 造成は?
- 山及び丘陵地の造成地
- 新興地域の埋め立て地
- 5年未満の造成地
- 造成以前は?
- 摺鉢状または傾斜状態にあった
- 排水路或いは河川敷であった
- 田・沼・池・湿地帯等であった
- 工場跡地であった
- 施工業者は?
- あまり聞いたことのない業者であった(信頼度)
- 盛土の状況は?
- 盛土の厚さが50㎝以上である
- 盛土の厚さが均一でない
- 地山と盛土が混在している
- 敷地内状況は?
- 湧き水・陥没・地割れ等がある
- 地表面部が軟弱である
- 表土が有機質土である
- 周辺100mの範囲 の状況
- 基礎・土間コンクリート等に亀裂がある
- 側溝に凸凹や蛇行が認められる
- 道路面が凸凹又は波を打っている
- 擁壁に亀裂・はらみ・ズレ・倒れ等が認められている
- ブロック塀・大谷石塀等に亀裂・倒れ・傾きが認められている
- 下水路等が一見して凸凹、または蛇行している
- 建築後10年未満と思われる建物が傾いている様に見える
- 近隣で地下水を汲み上げている
- その他注意事項
- 近隣の建物で杭等の補強策を講じているところがある
- 地名に沼・川・田・谷・池等の字が含まれている
Point
- 国土地理院から発行されている「土地条件図」を調べてみましょう。その土地の昔の地形が分かります。その土地が昔は河川であったり水田を埋め立てたりしたことが分かります。
国土交通省ハザードマップポータルサイト > 土地条件図 からも閲覧できます。 - 図書館等で昔の地図を見ることにより、敷地周辺の前歴を知ることができるかもしれません。
- 下表は現場観察によるN値の"めやす"
状況 | N値 | 現場観察 |
非常に軟らかい | <2 | こぶしが容易に10cm以上入る |
軟らかい | 2~4 | 親指が容易に10cm以上入る |
中位 | 4~8 | 努力すれば親指が10cm以上入る |
硬い | 8~15 | 親指で凹ませるが押し込むのは大変 |
非常に硬い | 15~30 | 爪で印が付けられる |
大変硬い | >30 | 爪で印を付けるのが難しい |
または
状況 | N値 | 現場観察 |
非常に緩い | 0~4 | φ13mm鉄筋が容易に手で押し込める |
緩い | 4~10 | ショベル(スコップ)で掘削できる |
中位 | 10~30 | φ13mm鉄筋を5£ハンマで容易に打設可 |
密 | 30~50 | 同上で30cm程度貫入できる |
非常に密 | >50 | 同上でも5~6cm位しか入らない 掘削時にはツルハシが必要である |